「瞬間」が「永遠」になった

Cocco『スターシャンク』
発売中
ALBUM
Cocco スターシャンク
《分け合えたら/想い出も/その後に/残る傷も/甘やかな/手触りで》と闇も光も雄大な歌で抱き止める“くちづけ”。《隠さない/抗ったりしない/私は私を/愛するのよ》とダンサブルなアレンジとともに宣誓する“願い叶えば”……。根岸孝旨をサウンドプロデューサーに迎えた、『アダンバレエ』以来約3年ぶりのアルバムとなる今作。刹那的なスリルの中にも悠久のスケール感を共存させながら、「いつか終わる生命」そのものの痛切なまでにリアルな歌を紡いできたCoccoが、自らの音楽のきらめきも内なる混沌もひとつの表現世界として「繋ぎ合わせる」という視点を得ることで、Coccoという時間軸そのものを「瞬間」から「永遠」へ位相変換させてみせた、画期的な一枚だ。自身の歌が放つ強烈な閃光と暗黒に苛まれながら、キャリアという名のいばら道を切り拓き、歩み続けてきたCoccoが、それでも今なお「未来」を希求する切実な想い――。《愛してるって/ただそれだけの/ためにだって/ただ今日があって/明日があった》とアルバムを締め括る“フリンジ”の無垢なる一節に、抑え難く胸が震える。(高橋智樹)
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