復活後の死霊は老いを知らず

アイアン・メイデン『死霊復活【コレクターズ・エディション】』
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ALBUM
アイアン・メイデン 死霊復活【コレクターズ・エディション】

全スタジオ作品のリマスター・エディションが完結に至ったことを受け、いよいよ今度はライブ作品群がアップデートされた音源で息を吹き返す流れと相成った。なかでも本作はアイアン・メイデンの歴史にとどまらずメタル全般のライブ・アルバムのなかでも名盤の誉れ高い作品のひとつだ。ブルース・ディッキンソン(Vo)加入後3枚目にあたる通算第5作『パワースレイヴ』(1984年)に伴う長期間のワールド・ツアーにおける演奏内容を堪能できるもので、DISC1の13曲は1985年3月のカリフォルニア州ロングビーチ、DISC2に収録の5曲は1984年10月のロンドンでの公演時の録音によるものとなっている。

当時のメイデンはすでに押しも押されもしない象徴的なバンドとしての地位を確立していたし、いわゆるLAメタルやスラッシュ・メタルという両極端な方向へとシーンの裾野が広がりつつあるなかで、メタルの中心軸とでもいうべきものを示していたわけだが、こうして35年を経ながら改めて向き合ってみると、大御所然とした重厚さよりも若々しい前傾姿勢の疾走感のほうが耳を惹く。ややハシり気味の演奏や、高音部をクリアしきれないまま勢いで乗り切っていく歌唱にもそれは顕著だし、当時は超大作的なイメージの強かった“暗黒の航海”にも、確かに13分を超える大曲ではあるが、劇的な重々しさよりも迸るようなエネルギーが感じられる。ドラマーのニコ・マクブレイン以外はみんなまだ20代だったのだから当然といえば当然ではあるのだが、鑑賞後の余韻にも意外なほど清々しい爽快感があるのが興味深い。そして何よりも感動的なのは、この老化知らずのバンドが、当時に勝るとも劣らないライブを近年も続けている事実である。(増田勇一)



詳細はWarner Music Japanの公式サイトよりご確認ください。

ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。
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アイアン・メイデン 死霊復活【コレクターズ・エディション】 - 『rockin'on』2020年8月号『rockin'on』2020年8月号
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