「異端でメジャー」のままでいる

東京事変『赤の同盟』
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東京事変 赤の同盟
2020年に「再生」し、4月8日に5曲入りEP『ニュース』をリリースしたばかりの東京事変、次のアクションがこの3曲入り配信シングル。表題曲である1曲目は、日本テレビ系ドラマ『私たちはどうかしている』の主題歌で、作曲は伊澤一葉。2曲目の“名実共に”も伊澤一葉が作曲。歌詞は全編博多弁で、いわゆる「タテ読み」の言葉遊びが入っていたりもする。3曲目の“玉座の罠”は、イントロが鳴った瞬間にそれとわかるくらい浮雲節全開な曲。歌詞は英語、サビは浮雲と椎名林檎の掛け合いになる。

3曲とも極めて天然に型破りなアレンジだし、3曲とも歌詞をよくよく吟味すると結構なことを言っているし、「再生」後も東京事変は東京事変だなあ、と、つくづく思う。いや、「再生後も」じゃないかも。よりいっそうアバンギャルドになっているかも。で、『ニュース』の5曲よりも、今回のほうが、さらにそうかも。オーバーグラウンドの、しかもかなりてっぺん寄りのポジションに、こういう音楽が存在している、という事実自体が、多くの人にとって希望になっている、と思う。(兵庫慎司)

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