マイペースにオルタナティヴ

ザ・サーマルズ『ナウ・ウィー・キャン・シー』
ザ・サーマルズ ナウ・ウィー・キャン・シー
デスキャブのクリス・ウォラやフガジのブレンダン・カンティがプロデュースを手がけ、サブ・ポップから3枚のアルバムをリリースしたザ・サーマルズ。4作目となる今作は、彼らの地元ポートランドのバンドたちの作品を多くリリースする、キル・ロック・スターズから。活動7年、アルバムは4枚目となったけれど、いい意味でサーマルズというバンドは変わらない。ソリッドで、ガレージ感をぷんぷんに匂わせた歪みのきいたギター・サウンドとシンプルなアンサンブルに、ちょっとぶっきらぼうなハッチ・ハリスのボーカルがポップなメロディを歌う。作り込まない、ザラザラとした質感は初期のモデスト・マウスに通じる。そしてキャッチーでコンパクトな楽曲も、情感あふれる歌心やブルージィにメロディを紡いでいく吟遊詩人的な楽曲もある。今作も、彼らならではのタイム感はそのままに、パワフルでポップな、聴く内にじんわり滋味深さが滲んでくるアルバムに仕上がった。デビュー以来インディ・ロック・ファンに愛され続け、作品毎に評価も高まっているのは、力まずに我流を追求しているところにあるんだろう。(吉羽さおり)
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