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クリープハイプ『どうにかなる日々』
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ALBUM
クリープハイプ どうにかなる日々
志村貴子原作の劇場アニメ『どうにかなる日々』の主題歌“モノマネ”と、バンド初の劇伴音楽として制作された22曲を収録した本作。“モノマネ”ではかつて“ボーイズENDガールズ”で歌われたふたりのその後の別離が描かれており、直接的な表現を使わず空想の余地を残しているからこそ宿るセンチメントが胸を打つ。このところめっきり名曲製造器としての精度を高めている尾崎世界観の面目躍如の1曲である。しかし、バンドの過去の曲の続編を映画の主題歌に起用するということは、バンドの物語とこの映画の物語とに、本質的な部分で交わるところがあったのではないか。そう思わずにいられないほど、劇伴の22曲は大半が1分以内の極めてシンプルな素描のような楽曲でありながら、クリープハイプの骨格が赤裸々に表れている。なぜ彼らはリリックで、歌で、あるいはMVで、その強烈な個性を刻み込めるのか。それは、美しいメロディを作り、美しい音で鳴らすことができる、その基盤の部分が他ならぬレベルで秀でているからなのだ。このサウンドトラックは、その揺るがぬ事実を突きつけてくる。(長瀬昇)

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