『PUNCH』のツアーは終盤12公演が中止になってしまったが、久々にライブ盤が出て、間髪入れずシングル『暴動チャイル(BO CHILE)』が出て、デビューから14年強で14作目のアルバム。ジャンプブルースやモータウン、ドゥーワップにホンキートンクなどを
クロマニヨンズ流サウンドに変換しながら飛ばしているが、
甲本ヒロト(Vo)作詞・作曲“浅葱色”や、真島昌利(G)による“妖怪山エレキ”“ふみきりうどん”といった楽曲タイトルに見られるロック言語の奔放ぶりが凄まじい。その扉の向こうには、心に激しく揺さぶりをかける情景や、驚くべき着想の風景が広がっている。世間の全フレッシュマン必聴の“新人”は、右も左も分からず慌てふためいて失敗してしまう、あのときの心細さや落胆を鮮明に呼び起こしながら寄り添う1曲だ。なぜ、ベテランにこんな歌が書けるんだろう。海外シーンではやれロック不況だとか言うけれど、違うんですよ。ロックンロールはいつでも、炊き立ての熱いご飯のように最高で最強なんです。我々のほうが、時々その有り難みを思い出して勝手に涙したりするだけなんですよ。(小池宏和)
『ROCKIN'ON JAPAN』2021年1月号より