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ほとんど毎月のように届けられるimaseの新曲に触れていると、過不足なく絶妙なセンスで織り込まれるアイデアの素晴らしさに惚れ惚れとしながらただ聴き入ってしまい、正直に言えば批評性を奪われてしまうようなところがある。でも、そういうポップミュージックとの向き合い方こそ健全だし、心地よいこともわかっているので、このままでいい。これまでのややソウル成分高めなポップ作とは趣を違え、今回の新曲“Soyokaze”はimase流のネオアコといった手応えに驚かされるが、抑制されたグッドメロディの展開とナイーブな詩情が完璧にシンクロする逸品。《未来はそよ風/静かに過ぎ去るの/見えないそよ風/僕には選べないの》《貴方もそよ風/静かに過ぎ去るの/見えないそよ風/それでも居た》。これである。思わずコーラスの歌詞をまるっと書き出してしまいたくなるほどに素晴らしい。こんなふうにそよ風を捉えられる感性こそが、ポップミュージックの希望だよ。7月には日本武道館ライブも控え、さらに今後が楽しみだ。(小池宏和)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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