歌と踊りと人生とアイナ

アイナ・ジ・エンド『THE END』
2021年02月03日発売
ALBUM
アイナ・ジ・エンド THE END
BiSHにおけるアイナ・ジ・エンドの振り付けは独特だ。インタビューで振り付けについて話を聞いていてもだいたいメンバーや曲そのものの話になるのがその独特さをすごくよく表していると思うのだが、ダンスと歌と人間がまったく分離していない。誰が歌って踊っているのかが一続きで、ほかの誰かの声ではその踊りは通用しない。踊って歌う本人が振り付けているからだというのももちろんあるが、そもそも彼女にとってダンスも歌も同じなのだろうと思う。BiSHは歌うように踊る。そしてこのソロアルバムで、アイナは踊るように歌っている。

“スイカ”のように古くからあった曲もあれば、“きえないで”や“死にたい夜にかぎって”もあるし、今作に向けてこの1年で書き連ねた曲もある。亀田誠治によるプロデュースも多彩で、ロックな曲もピアノバラードもある。だがすべての曲で歌われているのは、突き詰めると「私はこう生きているんだ」という叫びだ。《長所のない私です》なんて言葉からはじまるこの作品は、それが形になったという事実だけで、すでにアイナ自身と多くの似た人生を救っている。(小川智宏)

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