打首獄門同好会がタイアップと相性がいいことを、薄々ならず感じていた人は多いはず。徐々に増えてきていた中、とうとう全曲タイアップつきの4曲入りシングルが発売。タイトルで『こんなバンド名だけどいいんですか』と自虐的にイジるところまで、彼らにしかできない技が満載の一枚だ。“シュフノミチ”と“極・夫婦街道”は、Netflixのアニメ『極主夫道』のオープニング＆エンディング曲。元ヤクザが専業主夫になるというぶっとんだ物語に寄り添えるのは、まさに生活密着型ラウドロックの面目躍如で、特にしっかりヘヴィなサウンドで演歌調のメロディを歌い上げる“極・夫婦街道”は秀逸だ。“それだけがネック”は、アニメのタイトルをそのまま使ってミクスチャーに仕上げ、さらに驚くべきは幼児教養番組『しまじろうのわお！』とコラボした“カンガルーはどこに行ったのか”。「考えることを考える」という哲学的なお題に対し、実に打首らしいナナメ45度の回答を示しているのだが、これ子どもにも絶対ウケる。主婦層から子どもまで射程内とは、国民的バンドになるのも近いかも。こんなバンド名だけど。（後藤寛子）

『ROCKIN'ON JAPAN』6月号より