2023年をもって解散することを電撃発表したBiSH。12ヶ月連続リリースという怒濤のプロジェクトを宣言し、その1曲目として“FiNAL SHiTS”が届いた時には、このエモーショナルなモードで行くのか……？と動揺したものだけれど、第2弾の“ぴょ”で一安心。ゴリゴリのギターリフで始まり、空耳英語風歌詞を叫び散らすBiSHがそこにいた。タイトルどおり、完全に語感の楽しさだけで突っ走る、楽器を持たないパンクバンド節全開な楽曲だ。まっすぐメッセージを伝えたり、温かい絆を歌い上げたり、活動を続ける中で様々な表情を見せられるようになったBiSHが改めて剥き出しにしたアグレッション。ステージの上で暴れ回って清掃員を煽る6人が目に浮かび、やっぱりこの熱量がBiSHの核だと実感させられる。

ここからどんな振り幅を見せてくれるのか――と言っている間に、早くも第3弾シングル『愛してると言ってくれ』のリリースが迫り、第4弾の詳細まで発表されている。走り出したBiSHのスピードは容赦なく速い。感傷に浸っている暇はない。（後藤寛子）

『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より