文字通り混沌そのもののフレーズとリズムと言葉が、ジェットコースター的な楽曲展開の中で激しく吹き荒れるTVアニメ『ブルーロック』のオープニング主題歌“カオスが極まる”。だが、その三位一体のエクストリームな音像は、カオスどころかこのうえなくダイレクトなロックンロールとして聴く者の交感神経も快楽中枢も勢いよくかき乱してくる。ただでさえ驚愕＆感激必至のポテンシャルを備えたUNISON SQUARE GARDENのアンサンブルが、常に進化を求める獰猛な表現欲求と渾然一体となって、2022年という時代に異形のストレートを放つような、衝撃的に痛快な楽曲だ。

《ぶちかましてくれ　見たことがなけりゃないほどドラマチックだ》と衝動を極限炸裂させ、《げに逆恨み／陽は沈みけり　悲劇は巡り》と韻を踏みつつ、《画すべき一線を越えろ　楽園は近い》と決然と「その先」へのイメージを提示する――。カップリング曲“放課後マリアージュ”の爽快なポップ感とのコントラストが、両曲の作詞作曲＝田淵智也の底知れないクリエイティビティと凄味を際立たせている。（高橋智樹）

『ROCKIN'ON JAPAN』11月号より