私たちが、Novelbrightに否応なく心を震わせられてしまうのは何故だろう。竹中雄大(Vo)の歌声が放つ透徹で清廉な響き。生粋のライブバンドとしての気概が滲むバンドアンサンブルの熱さ。私たちの日々の生活を彩るカラフルな楽曲が誇るポップな輝き。そのどれもが大切な要素であることに間違いないが、僕が今作を観て最も圧倒されたのは、5人が懸命に紡ぎ続けるロックバンドの物語、その深みと重みであった。軽やかな筆致の公演名を掲げてはいるが、5人はこの夢のステージに至るまでに、地味に地道に、またこの数年はコロナ禍という壮絶な逆境をかいくぐりながらタフな旅路を歩み続けてきた。そして、まっすぐに時代のポップと向き合いながら、ロックバンドにしか鳴らせない大きな夢や希望があることを証明し続けてきた。その歩みのすべてが美しく結実した一夜、どうしようもなく胸が熱くなる。特筆すべきは、ラストに披露された“開幕宣言”だ。今回の武道館公演はキャリアの総括ではなく、新たなスタートラインにすぎない。さあ次は、いったいどんな大きな夢を見せてくれるだろうか。(松本侃士)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2月号より)
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武道館は通過点。さあ、新章の開幕だ
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