カルチャーは一日にして成らず

BE:FIRST『Smile Again』
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SINGLE
ダンス&ボーカルグループ文化の発展と更新の重要部分を担ってきたw-inds.の橘慶太がトラックプロデュースを務めた表題曲“Smile Again”。ミニマルなトラックで幻想的な雰囲気を纏うAメロから始まり、サビでは雲を裂いて太陽の光が射し込む。アネッサのCMソングとして流れるサビは抜群のキャッチーさがあるのに決して「J-POPらしい」みたいな枠には収まらず、橘とJUNE(w-inds.の楽曲も多数手がける、韓国出身のプロデューサー)の手腕が光っている。ボーカルトラックが1本で走るパートはメンバー7人それぞれのこの曲で新たに獲得したニュアンスの表現が曲を引っ張り、サビ前の《君は綺麗だ》などはボーカルトラックの芸術的な重ね方が施されていて、そのコントラストが実に美しい。

さらに注目すべきが“Great Mistakes”。《何千何億回間違ったとしたって》《明日が怖くなったって 大丈夫/何回だって待つよ ずっと》という歌詞が、順風満帆に進んでいるように見えても、実際は日々緊張感を抱きながら自身と対峙しているメンバーたちに向けたSKY-HIからの言葉にも聴こえてくる。(矢島由佳子)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年6月号より抜粋)


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