インタビューの終盤、SHUNTOが見事に芯を食った発言をしてくれて、その発言を僕なりに咀嚼してみると、「責任と自由はバランスよく存在している。やらなきゃいけないことと、やりたいことは対立しているのではなくて、どっちもやれるやり方がわかってきている」ということになる。おお、と思った。まっすぐに自分たちの理想に向き合いながら、世間から求められている像を背負い切る。そして、その責任の遂行の形をそのままぴたりと、「自分たち自身を楽しませる音楽」と同化させていく。そのしなやかなあり方。それはまさにBE:FIRSTの精神性であり、何もバックれない堂々たる戦い方であり、ボーイズグループとしての、この7人にしか体現することのできない新しさであり正しさである。インタビューページの最初に抜いたRYOKIの言葉もまた音楽面から語ったこの精神性そのもので、今回は7人が今抱いている7通りの確信、BE:FIRSTの進化の現状報告として読んでもらえるのではないかと思う。7人がやりたい音楽を提示するのと同時に、俺たちの好きなものをファンの好きなものにしなきゃいけない。
そのイコールを生まなきゃ、俺らの自己満で終わるから(SOTA)
2ndアルバム『2:BE』に向けての2号連続インタビューである。だが、具体的な楽曲の話はほとんどしていない。精神と生きる姿勢と人間としての今、という話に終始している。そしてそれが考えうる限り、彼らの本質のど真ん中を撃ち抜く、過去の何より正確なBE:FIRSTインタビューになっている。BE:FIRSTは生き方と表現を必然として合致させた稀有なアーティストだ。彼らは自分たちの力でその領域に歩を進め、いよいよ他に例の一切いない、唯一無二の存在になろうとしている。
次号では思い切り音楽的に、『2:BE』の世界を語り合おうと思っている。
インタビュー=小栁大輔 撮影=島津明
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年9月号より抜粋)
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