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11月に約4年ぶりのアルバムを発売し、来年にはバンドとして史上最速となる5大ドームツアーを開催。その記録だけを取り上げても「バンドとして前代未聞の境地」であるが、音楽的にもそうであることを決定づけるのがこの“硝子窓”だ。常田俊太郎節が効いたクラシカルな弦アレンジに、大胆にもスクラッチを乗せて始まり、エクスペリメンタルジャズや現代音楽なども混ぜ込んだ展開へ。「ここを超えるとポップスとして届けられなくなる」というラインがあるとして、今のKing Gnuは異次元なところまで攻め込んで、それでいてチャート1位を掻っ攫うのだから痛快。しかもスタジアムバンドとしてのスケールを備えたKing Gnuが演奏するからこそ、ドームで鳴り響くことに耐え得る器ができあがっているのも驚くべき点。常田大希がKing Gnu結成前から思い描いていた音楽の形やコンサートでの届け方を、溜め込んだ熱や技量とともに爆発させているのが今であると感じる。まだまだ前代未聞の境地を突き進んでいくのだろう。(矢島由佳子)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年11月号より抜粋)
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