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メンバーチェンジを経て生まれた前作ミニアルバム『LOVE』では色彩豊かなアンサンブルとグルーヴで新境地を見せため組。それから1年半を経てリリースされた新曲はそこからさらに一転、イントロからキーボードのリフが鳴り響き、タイトでパワフルなドラムとシンプルなベースラインが疾走する、ストレートなロックチューンとなった。2番のAメロのタムなんて、これだよこれ!と思わず膝を打ったし、《どうして?だって、なんなんすか?》という意味のない言葉に意味を持たせてしまう歌いまわしと音符の並びもナイスで、菅原達也の頭の中から直反応的に生まれてくるリズムとメロディというのは本来こういうものなんじゃないかと思う。それをそのままぶつけられるということは、人が入れ替わりながら続いてきたこのバンドもついに過渡期を脱出したということなのかもしれない。うだつの上がらない日々をさんざん愚痴りながらも《冴えないけど きっといつか/咲かせるから》と前を向く歌詞もキラキラと眩しい。(小川智宏)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年11月号より抜粋)
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