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バンド結成10周年を記念して制作された今回の新曲には、これまでの歩みの中で彼らが抱いてきた様々な想いが滲んでいる。一貫して掲げ続けている《大それた野望》や、《今に見てろ》という反骨精神。そして、《威勢よく飛び出した場所でお前と出会えた》歓び。長きにわたり苦楽を共にしてきたメンバーたちの汗と涙の結晶のようなこの曲は、Novelbrightの最初の10年間を総括する自伝的ナンバーであると位置づけられる。しかし僕にはこの曲が、メンバーたちだけの歴史を綴った歌であるとはどうしても思えなかった。その理由は、計4ヶ所に挿入される勇壮なシンガロングのパートである。リスナーと一緒に歌うことを前提とした同曲は、まるでメンバーと私たちのこれまでの歩みを高らかに祝福しているかのよう。メンバーだけの力では辿り着けなかった今があり、リスナーと共に歩むからこそ目指せる《その先》の景色がある。ロックバンドの長い冒険の旅(ODYSSEY)は、そのようにしてこれからも続いていくのだ。(松本侃士)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋)
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