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アメリカの「コーチェラ」、スペインの「プリマヴェーラ」への出演が発表されるなど、海外での人気がますます高まりそうな状況が続いている新しい学校のリーダーズの追い風となりそうな新曲“Toryanse”。タイトルからも想像される通り日本のわらべ歌をモチーフとしているのが面白い。子どもが無邪気に歌う“とおりゃんせ”がどことなく醸し出す物の怪じみた気配、シンプルなフレーズの反復で構成されている手毬唄が誘って止まないトランス状態が効果的にサウンド全体に組み込まれている。ジャパニーズカルチャーを印象づけるためだけにわらべ歌のエッセンスを取り入れているのではなく、刺激的なダンスミュージックに仕上げるための重要なスパイスとして機能させているのがこの楽曲の素敵なところだ。海外のリスナーにとっての目新しさのみを狙う変化球ではなく、音楽としての真っ向勝負を挑む気概を感じる。世界各国の人々が理性のリミッターを外して無我夢中で踊るに違いない。そんな光景を想像すると嬉しい気持ちになる。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋)
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