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昨年3月にグループとしての活動を終了したあと、感情線あくびのソロプロジェクトとして再始動したMAD JAMIE。その最初の集大成となるアルバム『THIS is NONFICTION』。とても彼女らしい、何よりMAD JAMIEらしいタイトルだと思った。グループ体制の時から大切に歌い続けている“Catch my life”(今作には再録版が収録)の中に《This is ノンフィクション》という一節があることが象徴的なように、あくびは、これまでずっと嘘のない生き方を貫くために、深い覚悟と不断の努力をもって懸命に走り続けてきた。今作は、これからもその生き様を貫いていくという渾身の所信表明なのだろう。特筆すべきは、あくびが初めて作詞を手掛けた“Over the moon”と、共作として作詞に携わった“NO TIME TO DIE”。まだ見ぬ未来に向けたまっすぐで切実な願い。もっと遠くへMAD JAMIEの歌を轟かせていくという鮮烈な決意。熱く重厚なロックサウンドに滲む彼女の純真な想いと剥き出しのエモーションに、強く心が震える。(松本侃士)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋)
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