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TVアニメ『アオのハコ』のオープニングテーマ。この青春ラブストーリーに対し、Official髭男dismは深い解釈のバンドサウンドで応えた。「それぞれが色んな事を経験して、濁ったり、澄んだりしていく」と公式コメントで青春時代を形容していた通り、この曲は嵐のような感情の乱高下をサウンドで体現する。ヒゲダンの楽曲が複雑緻密なのはよく知られるところだが、この曲は格別。めまぐるしく切り替わる拍、そして意外なところで挟み込まれる転調など、終始バンドサウンドに翻弄される中、凛とした歌のメロディが変わらぬ青さを放っている。その歌とて相当に高難度だが、《傷跡にさえなれずに 隠し持った想いたちが／溢れることを選んだ日は ちゃんと届けたい／あなたの心の中へ》と歌うロングトーンの揺るぎなさは、濁りを知るからこその再びの透度で響くのだ。そして青春時代だけではなく、人生はずっと濁ったり澄んだりの繰り返しだと知る。これをポップスとしてしっかり成立させるヒゲダン、やはり恐るべし。（杉浦美恵）（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年12月号より）
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