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今のマカロニえんぴつが、オーディエンスの期待に応えることも、バンドとして自由であることも、すべてを受け入れたうえでなお最高の状態にあることを示す1曲だ。アニメ『アオのハコ』第2クールのOPテーマとして書き下ろされた“然らば”。読み方は「サラバ」。しかし、別れの曲ではない。「それでも、行け」と、沈殿する心を掻き混ぜるような力強い曲だ。この曲に描かれるサヨナラがあるとしたら、それは立ち止まる自分自身に対してだろう。感情がひとつの場所に留まるなんてありえないということを証明するギターも、人間味溢れまくりで疾走するドラムも、最高。《しかたない恋だから。だれもわるくない恋だから》――そう、はっとり（Vo・G）は歌う。愚かしさも弱さも見つめた内省の果てで、誰のせいにもしない高潔な歌。自分で自分を偽らないための歌。「自分として生きる」という誇りと共に、恋と生に立ち向かう歌。最後に辿り着くのは、答えでも解決でもなく、命を舞い上げるように吹きすさぶ風の清々しさだ。（天野史彬）（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年2月号より）
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