『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
タイトルだけを見れば恋愛ソング集のようにも思える約2年ぶりのフルアルバム。恋の未練や後悔をテーマにすることが多かったが、近年はそれらを包括しながら生活に寄り添う想いを歌っており、旧友の肩を叩くように「つまらないことは笑い飛ばそうぜ」と呼びかける“ハンワライナー”、《「頑張れ」よりも「頑張ったね」/って言葉に抱きしめられたいから》と綴り、日常での他者承認を昇華してくれる“ブルーアワー”といった曲の存在感が抜群。傷や後悔と向き合ってきたからこその境地であり、繊細な描写でありながら、そうだよな、と頷けるのもいい。“純ラブ”や“摩訶不思議ヒステリー”のようなギリギリのいなたさを攻める曲タイトルからも感じるが、そういったバランス感覚の良さも特長のひとつであろう。もちろん、終わらない愛の誓いをアンセミックに響かせる“エバーソング”に代表されるラブソングのソングライティングもさらに冴え渡り、ソリッドにもゴージャスにも行き来できるアンサンブルの凄みも進化している。(ヤコウリュウジ)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年7月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』7月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。