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『Real』がリリースされた2020年から現在までの世の中に漂ったムードが反映されている印象の最新アルバム。ダイレクトに指し示す言葉が登場するわけでもないのだが、コロナ禍によって生まれた制約の息苦しさ、SNSを通じてぶつけられる悪意の理不尽さなど、同じ時代を過ごしてきた者ならば自ずと具体的なイメージが湧く瞬間がたくさんある。たとえば“Keep it up!!”は、爽やかに疾走するサウンドが心地よいが、無責任な言葉によって誰かが育んできた魅力が押しつぶされることへの違和感が根底に脈打っている。艶めかしいダンスビートを躍動させる“Just stand by me”は、心が何かに縛りつけられる日々の中での葛藤を映し出す。“SUMMER LION”“君に恋したあの日から”などに刻まれた温かな愛情も、様々な出来事に触れながら抱く疑問と苛立ちも、「リアルな実感」という点では創作意欲を刺激する題材として持つ意味は等しい。親しみやすいサウンドを土台としつつも、生々しい感情を濃密に渦巻かせている作品だ。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より抜粋)
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