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二十歳の節目に素顔を公開し、アーティストとして新たなスタートを切った彼女がリリースした最新曲は、得意技を新しい手法でコンパイルした意欲作だ。SNSでヒット中の“すないぱー。”と同様に、「薬」というモチーフになぞらえて恋心を描くキャッチーかつアイデアフルな言語表現に加え、幼さの残る等身大の言葉遣い、随所にきらめく「ここまで貴方に恋をしている私を貴方が選ばないでどうするの?」と言わんばかりのポジティビティ、好きで仕方がないからこその恥じらい、彼女の声が最もキュートに響くメロディなど、どこを切り取っても恋する女子特有の愛くるしさが眩しい。トオミヨウが手掛けたピュアでフレッシュなエレクトロサウンドアレンジもそれに拍車をかけている。従来の弾き語りやバンドサウンドのイメージを一新しながら、これまで培ってきたラブソングの旨味を凝縮した、純度と鮮度を併せ持つポップソング。高揚感に満ちた「可愛い」の魔法に酔いしれてほしい。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より)
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