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ハイペースで名曲をドロップし続け、新たなポップミュージックの標榜者として強固な信頼を得ているVaundy。立て続けに新曲2曲をリリースした。“僕にはどうしてわかるんだろう”はメランコリックで流麗なオーケストレーションが聴こえたと思ったらウォームなトラックに転化。深い孤独を感じさせながらも、既に自分の中でわずかな光を掴みかけていることがわかる歌い出し。主人公は自分の心の変遷や性質を辿り、どのような角度で心を見つめれば救えるかということを導き出す。究極の自力救済ソングにも思える。もうひとつの新曲は“まじで、サヨナラべぃべぃ”。是枝裕和監督の短編映画『ラストシーン』の主題歌として書き下ろされた曲だが、50年後の世界からのタイムトラベルが物語の肝になっているだけに、時空を超えて「君」を思う覚悟が、まるで目の前の人に語り掛けるような親密な距離感で聴こえてくる。その引き出しの多さと深さに驚かされる2曲だ。（小松香里）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年7月号より）
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