ロックを奏でる覚悟

ブルボンズ『グリーンアルバム』
2009年11月11日発売
MINI ALBUM
ブルボンズ グリーンアルバム
シンプルで最小限の手数しかないロックほど、奏でる人間に覚悟がいる。テクニックやセンスと同時に、そいつの人間性そのものが、音や詞に半ば残酷なほど滲み出てしまうからだ。中野出身の4人組、ブルボンズ。超絶のテクニックやアンサンブルがあったり、世界の理をひっくり返すような斬新なメッセージが込められている、バンドではない。このバンドを信用できるのは、ただ一点のみ。この男たちには覚悟があるからだ。《世の中を変えたいよ》《未来などいらない この街を出たい》《ロックンロールは道徳じゃない》――この2009年に敢えて、こうした古典的なロックのメッセージを、剥き出しで発信する覚悟がブルボンズにはあるからだ。そして、その覚悟こそが、いや、それのみが、聴くものを大きく揺さぶるのである。

加えてバンドのポテンシャルそのものが、大きく開花しているのも見逃せない。特に冒頭曲“グリーン”は、ミディアムなテンポの中に新たなメロディの引き出しを発見した佳曲。「8ビート・ロック・バンド」の範疇を脱し、ここからブルボンズが大きく羽ばたく。(徳山弘基)
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