約2年3ヶ月ぶりの新作。セイジの手術と入院によって活動を一時休止していたギターウルフは、今年4月の野音のライブで復活し、夏は各地のフェスを震わせたが、ついに新曲！　しかも5曲も!!　どれもギターウルフはやっぱりギターウルフであり、代わりになるバンドなんていない唯一絶対の存在であることを強烈に実感させてくれる。“ジェット サティスファクション”は、地球をブチ割り、月までひとっ飛び出来そうな全能感を、炸裂する爆音と咆哮が呼び起こしてくれる。自分が無敵になったような気持ちにさせてくれるこの感じ！　これぞギターウルフの真骨頂だ。ビルをモチーフに都市のロマンをダイナミックに映し出す“ビルディング Z”。サイケデリックでハードボイルドなガレージ・ロック“エジプトロック”。ディナーのメニューになぞらえて、淫靡な営みを描く“ワイルドレストラン”。魔性の女の姿を夜光虫のように妖しく浮かび上がらせる“デビルクチビル”。タイトル曲以外も怖いくらいに冴えている。ギターウルフのR&Rはやっぱり最高だ。何度だってぶん殴られてぶちのめされたい。（田中大）