これまで、とかく「エモ」というタームが付きまといがちだった彼らだったが、そんなところに押し込めないでくれ、とでも言いそうな、ラフ&ロウさにしびれる仕上がりになっているのだ。冒頭の“タング・トゥイスター・タイポ”は、一瞬人を喰ったような痛烈なオープニングに聴こえる。が、そのささくれ立ったガレージ的アプローチは、より安定したリズム隊によって、刹那なものではなく大きなステージで勝負できそうなスケールに広がっているのだ。やっぱり、いい意味で若手らしくない。加えて、“ドット・トゥ・ドット”のように、ざらついたボーカルが色気たっぷりなメロウなナンバーもあるし、全体に楽曲のクオリティが何層も突き抜けている。だから、じとっとなりがちなロックンロールを、カラリと潔く響かせている。(羽鳥麻美)
ロックンロールも成長する
ブラックマーケット『セイント・ヴィンセント・デコール』
2010年02月10日発売
2010年02月10日発売
ALBUM
これまで、とかく「エモ」というタームが付きまといがちだった彼らだったが、そんなところに押し込めないでくれ、とでも言いそうな、ラフ&ロウさにしびれる仕上がりになっているのだ。冒頭の“タング・トゥイスター・タイポ”は、一瞬人を喰ったような痛烈なオープニングに聴こえる。が、そのささくれ立ったガレージ的アプローチは、より安定したリズム隊によって、刹那なものではなく大きなステージで勝負できそうなスケールに広がっているのだ。やっぱり、いい意味で若手らしくない。加えて、“ドット・トゥ・ドット”のように、ざらついたボーカルが色気たっぷりなメロウなナンバーもあるし、全体に楽曲のクオリティが何層も突き抜けている。だから、じとっとなりがちなロックンロールを、カラリと潔く響かせている。(羽鳥麻美)