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70年代のファンク、80年代のハウス、90年代のドラムンベース、00年代のトラップもそうだが、ダンスミュージックには、抑圧からの解放という役割がある。その背景には人種やジェンダーの問題があり簡単には説明できないが、鬱屈した何かを吹っ飛ばしてくれるパワーこそがダンスミュージックの本質であり、なとりの“DRESSING ROOM”にはその機能がしっかりと備わっている。この曲の根底にあるのは「自分らしさって何?」みたいなことを突きつけられる現代社会の雰囲気。そこには承認欲求や世間体、同調圧力などもついてくるわけだが、そんな鬱陶しさをなとりは、強靭なキックとベースライン、しなやかなメロディ、官能と親しみやすさが混ざり合うボーカルによって気持ちよくぶっ飛ばしてくれるのだ。繰り返される《真似できないスピードで行こう》というフレーズと圧倒的な身体性を伴ったビートによってリスナーをエンパワメントしてくれる、2025年最強のダンストラックだと思う。(森朋之)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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