初春のキツネ印は凄い

トゥー・ドア・シネマ・クラブ『ツーリスト・ヒストリー』
2010年02月17日発売
ALBUM
トゥー・ドア・シネマ・クラブ ツーリスト・ヒストリー
キツネが今年猛プッシュする新人、この北アイルランド出身の3人組トゥー・ドア・シネマ・クラブである。12月に行われたブリティッシュ・アンセムズで初来日を果たしており、まだあどけなさが残るフロントマン=アレックスの表情や、MCも少なく黙々と演奏に没入してゆくバンドの姿を目の当たりにして「若い!」と感じたものだが、そのソングライティングや鮮やかなアレンジから受け止められるポテンシャルは紛れもなく本物であった。09年の名盤として誉れ高いフェニックス最新作『ヴォルフガング・アマデウス・フェニックス』の、デラックス版リミックス集でアニコレやフレンドリー・ファイアーズと共にリミックスを手掛けていたのも記憶に新しい。

ダンス・ビートを取り入れるのではなく、初めからハウスやテクノのリズムが刷り込まれている世代感覚。つまり、ダンス・ビートへの依存や甘えがないからメロディやアレンジが必死なのだ。絞り出している感じがするのだ。それも含めて疾走感に満ちている。最近はこういう感覚に触れる機会が多いが、しっかり個性も刻み付けられているので、聴いていて嬉しくなる。(小池宏和)
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