ロールモデル記録またも更新

ポール・ウェラー『ウェイク・アップ・ザ・ネイション -デラックス・エディション』
2010年04月14日発売
ALBUM
ポール・ウェラー ウェイク・アップ・ザ・ネイション -デラックス・エディション
ポール・ウェラー、51歳。相変わらず怒っている。漲っている。戦っている。改めて御大の不動の業みたいなものを見せ付けられる、渾身のロックンロール・アルバムの完成だ。そもそも、ウェラーとは常に「今」の人である。コンスタントに新作をリリースし続け、出すだけじゃなくきっちり結果も出し(前作『22ドリームス』は全英初登場1位)、精力的にツアーを回り、酒もタバコも自重せずバカスカ嗜み、しかし太らず、ハゲもせず、30年以上ずっとお洒落でイケメン……と、ウェラーほどあらゆる意味で現役バリバリの超ベテラン大御所というのも珍しいと思うわけなのだが、そんな彼の現役感が、ロックンロールという彼が最も得意としてきた技によって炸裂しているのが本作なのである。

前作『22ドリームス』のアヴァンギャルドは進化し続けることで「今」にアクセスしようとする試みのアルバムだったわけだが、対する本作の方法論は全くの逆だ。35年に及ぶキャリアにおいて絶やさず燃やし続けてきた反骨の火の勢いをさらにブワッと強めるような、生き方そのものが「今」であり続けてきたウェラーの誇りに満ちた一枚なのである。パンク、モッズ、ソウル、ブルースと、彼が経過してきた音楽性をぎゅっと凝縮して一気に吐き出すような、強烈にタイトなグルーヴと無駄な音が一切存在しない潔い言い切り型のメロディ。旧友(ブルース・フォクストン)から異種交流後輩(ケヴィン・シールズ)まで引き連れて、やるべきことを迷い無くやっている。51の御大に警鐘(Wake Up Call)鳴らされたUKロックの未来にも改めて希望を持ちたいところ。(粉川しの)
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