日本パンク女子代表・日本マドンナ!

日本マドンナ『卒業制作』
2010年07月07日発売
MINI ALBUM
日本マドンナ 卒業制作
まりな、あんな、さとこ。三人官女みたいに朴訥で愛らしいルックスで、幸せな恋人たちに向かって死ね!とかファッキン!とか毒を吐く。《サンドウイッチなんか喰いやがって 米食えよ》と、村上春樹のスノビズムに泥を塗る。その汚れた言葉は、けれど彼女たちなりの体当たりのコミュニケーションだ。だからこそ、諦念と決意が交錯する3コード・バラード“田舎に暮らしたい”を聴くと胸がつまる――。これが日本マドンナの記念すべき初音源『卒業制作』だ。むちゃくちゃ名盤だと思う。

荒削りだが、メロディもコードも言葉もしっかりした骨格を持ち、気分だけのガレージ・パンクとは違う。鋭利な批評精神と表現としてのポップさがある。

スリーブのスペシャル・サンクス欄に、「ママ、父」に並んで、「私を孤独にした××高校」とか「生理」とか書いてあった。なんか泣けた。中指をしっかり立てたまま世界にダイブする、この3人の無垢なる魂よ。手折れることなく健やかにこのハードボイルドな現実を生きぬいてほしい。この尊い「FOR REAL」に触れると、そう祈りたくなる。(井上貴子)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする