2組の兄妹が寄り集まって結成されたこのマジック・ナンバーズは、言わば究極の家内制手工業バンドであった。血縁と幼馴染の濃い関係性の中でじっくり醸成された彼らの音楽は、外気に当たらないからこそハーモニーの調和とフォーク・ソングのピュアネス、そしてソフト・ロックの柔らかな輪郭を保ち得たわけだし、逆に言えば自分達以外に関係性が見出せなかったからこそ、一度陥ったスランプからの脱出も困難を極めたのだろう。実際セカンド『ゾーズ・ザ・ブロウクス』のリリース後、実に4年半に亙った沈黙の最中には、バンド崩壊(彼らにしたら家族の崩壊をも意味する大問題)の危機もあったという。だから本作の完成に漕ぎつけるためにメンバーそれぞれが別のコラボ・ワークに精を出し、外気に当たり、他者との関係性を結ぶことでリハビリしたというのも納得のいく話なのだ。外部プロデューサーも初めて招集し、こうして「家」を開放した彼らに待っていたものは、純粋培養された苗を大草原に植えるような試みと空高く木霊していくスケール感だった。オーガニックなそれにエレクトロのアプローチがこんなにはまるなんて嬉しい誤算。(粉川しの)