そこで何度もプロデューサーを取り替えながら、彼らが行き着いたのは、バンドになるという選択肢だった。ファーストの頃の彼らは、画期的なビジョンを有しながらも、バンドではなかった。むしろバンドではなかったからこそ、プロのミュージシャンではなかったからこそ、あれだけラジカルに当時の空気を掴まえることができたと思うのだが、彼らはこのアルバムでクラクソンズという発明を続けていくことを選んでいる。その点でロス・ロビンソンの虎の穴での修行は効果的だっただろう。ディストーションを踏み込みながら、バンド・サウンドでクラクソンズを再構築しようとしている。
しかし、クラクソンズは一度もポップであることを恐れたことはなかった。本作でもまったく恐れずにポップをやろうとしている。(古川琢也)
