新旧21曲が収録されたベスト・アルバム。どんな基準で選曲されたのかはわからないが、初期の名曲ももっと入れて欲しかったという個人的な思いはある。しかしこれはレビューを書くのが難しい。さっきから書いては消し、書いては消しを繰り返している。だって……エルレにベスト＝総括って似合わないんだもの！　いや、純粋に名曲集として楽しめるんだよ。音楽性の変遷や、その中で貫かれてきた海外に照準を向けたスタイルも刻まれていて、彼らが日本のロックシーンにおいて独特の存在であることが確かめられるし。でも、彼らは常に、自分たちと世界の今を感じさせる音を鳴らしてきたから、ベスト盤は意外だったのだ。しかも休止の報が届いたタイミングだし、よからぬ想像をしてしまう人もいるだろう。でも、私は休止の話は悲しかったけど、そこまで驚かなかった。なぜなら……そこで、ベスト盤を聴いてみて欲しい。こんだけ名曲を作るんだから充電も必要だよ。それだけが休止の理由じゃないだろうし、そんなアピールで出すわけはないだろうけど、聴いた人はそう思わざるを得ないんじゃないかな。とにかく名曲集。今作はそれが最大の意味だ。（高橋美穂）