夏の伊達者

鶴『夏の魔物』
2008年07月09日発売
鶴 夏の魔物 - 夏の魔物夏の魔物
タイトルを見て、スピッツのカバーかと思ったら違った鶴のニュー・シングルは、しっとりとメロウで切なくて、コーラスがぶ厚かったりするミドル・チューン。いくらなんでもJ-POPすぎないか。というか、歌謡曲すぎないか。と、正直、最初に聴いた時は思った。わかる人にはわかる存在になってしまうにはもったいない才能を持っているバンドなので、メジャー移籍ちょっと前からの、この楽曲のポップ化は必然だと思ってきたけど、それにしてもさすがにちょっとバンドっぽくなさすぎないか。と感じた。が、何度も聴いているうちに「待てよ」「これでいいのかも」「むしろいいのかも」「とてもいいのかも」「だっていい曲だし」と、印象が変わっていった。サビには鍵盤も入ってるけどアレンジの中心はギターとドラムとベースで、それぞれの音がとてもクリアに響いてくるし、歌謡曲っていうよりもソウルとか山下達郎とか大瀧詠一とかに近いメロディとコードの展開だ、この曲。何よりも「ライブで3人でやれないよ」って感じがゼロだし。2曲目と3曲目もしかりで、色々試してるけど最終的にはシンプルなバンド・サウンドに帰結している。いいと思う。(兵庫慎司)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする