ヘンテコなリズムを叩きながらドラマーが歌っていたり、ファルセット交じりのボーカルの掛け合いがあったり、デコボコなのにダンサブルで、パンキッシュだけど愛嬌がたっぷり。キュー・アンド・ノット・ユーやブラック・アイズ、レ・サヴィ・ファヴ、ディスメンバメント・プランを思わせる、ソリッドで、クリエイティブな音の絡みとポップ・センスで聴かせるのが、このドイツ発のトリオ、パターンズ。

地元ではテレビ出演もする人気バンドだというけれど、それも納得。ポスト・ハードコアにインディ・ロック、エクスペリメンタルな変則・変態サウンドの要素がふんだんでひねくれてるようでありつつも、あけっぴろげなダンス・ミュージックの遺伝子も色濃い。アフリカンなビートやラテン・ビート等を織り交ぜて昇華するのは、近年のインディ・ロック・マナーとも言えるけれど、そんなトライバルなビート感と、ミニマルなダンス・ビートを掛け合わせたフィジカルに効きまくる躍動を3人が3人生みだしている。手足に頭をむちゃくちゃに振り乱して踊っちゃうような、気持ちよく阿呆になれる音が最高なのだ。（吉羽さおり）