「良作」という表現がぴったり

GRAPEVINE『真昼のストレンジランド』
2011年01月19日発売
ALBUM
GRAPEVINE 真昼のストレンジランド
長田進とのコラボ盤を経ての新作。前作はそれまでの彼らの、端正な歌ものギター・ロックというイメージを根底から覆すような、サイケでロウファイでオルタナティヴでプログレッシブでポスト・ロックな作品だった。ブルックリンあたりのアート・ロック一派と共振するような大胆なサウンド・プロダクションは、ある意味でバインというバンドを初めて知ったとき以上の衝撃だったのである。

それだけに「次」がこれまで以上に注目されたわけだが、今作は本来の彼ららしい歌ものをたっぷりと味わえる作品となっている。つまりは前作で過激に押し進めたアーティスティックな路線を少し修正し、よりリスナー・コンシャスな間口の広さを狙った作品と言える。もちろん「第2のデビュー作」と言いたいぐらいの新境地だった前作の成果を踏まえてはいるのだが、総体としては王道バイン路線に回帰したという印象だ。もちろんこの路線なら彼らは高位安定した作品をいつでも作れる。それでいてルーティン・ワーク的な怠惰さなど微塵もない、ある種の瑞々しさを失わないのが、非凡なところなのである。(小野島大)
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