西海岸メロコアを根っこに持つバンドは数多くいるが、もはやルーツ云々をすこーんと突きぬけてオリジナルな存在になっている、と言っていい。そんな、高クオリティのアルバムを完成させたTOTALFAT。1曲目“Livin’ for The Future”はかつてなくポップな仕上がりながら、泣きのメロ&コーラスありシンガロングあり、キレのいいビートあり、TOTALFAT節のギター・ソロありで、一聴して彼らとわかる印だらけ。トイドールズ的なリフ遊びの曲に、ラップあり、メタリック・チューンあり、アクション映画にでも似合いそうなド派手なロックから、ロカビリー風もありと、全15曲がバラエティに富みまくっている内容。しかし、食い散らかしているわけでなく、ビシッと筋が通っていて、音にちまちまとした言い訳がない。ただ堂々と、首尾一貫、フルスロットルで飛ばしているのが気持ちいい。四の五の言わせず、リスナーが無心でコブシをふるえるパワーで満ちている。この開放感に相反するように、本人たちはどこまでもストイックに物づくりをしているのだろう。そういう真摯な姿が透けて見える。(吉羽さおり)