いよいよフェニックスの後継者への階段を登ったというべきか? ハウス・デ・ラケット、ルノー・レタンとゴンザレスという、ファイストの世界的成功を影で支えたプロデューサー・チームの強力なバックアップを得て送り出された1stが話題を呼んだ、フォトジェニックなルックスも◎なデュオである。このセカンド・アルバムはキツネからのリリースとあって、トゥー・ドア・シネマ・クラブ、イズ・トロピカルに次ぐブレイク・アクトと目されているが、ロック・バンドとしてもエレクトロニック・バンドとしても絶妙なポジションをマークする心憎い作品。カット・コピーやフェニックス、TDCCら、これ系のバンドの転機作やブレイク作を手がけたらお手の物なズダールをプロデュサーに迎え、洗練されたエッジィなサウンドを聴かせている。狙いを定めたような(というよりプライドの表れか)フレンチ・ボーカルは、エレ・ポップ・デュオの王道スタイルによくはまる!という再発見もありつつ、サイケな広がりを見せる“コーラス”など、デビュー作での新世代フレンチ・ポップをさらに掘り下げたような新たな一面も垣間見える。(羽鳥麻美)