新曲、セルフカバー、アルバム未収録曲で構成され、2001年にリリースされた企画盤『Sugarless』の第2弾。今回収録されている新曲は“コーヒー”と“ガリレオの数式”。生々しいモチーフを光らせるスガ節が発揮されている。アルバム未収録曲の中では、1stアルバム『Clover』に入っていた“月とナイフ”のピアノヴァージョンが素晴らしい。血腥さを帯びたピュアな愛情表現が印象的だ。スガ シカオの音楽の美しさは、ドロドロした翳や狂おしい痛みと背中合わせであることを改めて実感させられる。そして、ミスチルが02年にリリースした『IT’S A WONDERFUL WORLD』の収録曲で、「スガ シカオに影響されて書いた」と桜井和寿が公言している“ファスナー”を、他でもない桜井とカヴァーしているのにびっくり! また、同じ事務所の仲間であるCOILの“Loveless”のカバーにも仰天した。エレクトロ風味のこの曲は、意外性という点だと、おそらくスガ シカオ史上最強だろう。また、“アオゾラペダル”“Real Face”のセルフカバーも、本作には収録されている。とにかくサービス精神満載の1枚だ。(田中大)