「オールドスクール・メタルの黄金期が必ずまたやってくる」と語っていたVo・ガブリエル15歳!という時点で脳内時間軸がぐらぐらしていたデビュー作『ライト・フロム・アバヴ』から早3年。その後、初のツアーを経て2年の歳月をかけて練り上げられた今作の楽曲は、そういった時代や世代の隔壁をあっさり吹っ飛ばすくらいの、ダイナミックかつユニヴァーサルなロックの魅力に満ちた1枚になっている。ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインのマットとともにメタルの巨大な扉を開け放つM1“アッシズ”。華麗なアンサンブルをハードコアのマナーにのっとって炸裂させてみせるM3“レット・イット・アウト”。時折アコギでラテンな風を吹かせながら、よりアグレッシヴにカオスの彼方へと駆け出していくM5“ザット・ファイア”。ストリングス・サウンドと壮麗なコーラスを絡み合わせてめくるめく美の風景を描き出すラスト・ナンバー“イントゥ・ザ・スカイ”……ヘヴィ・メタルが時系列の彼方から蘇って再び「僕らの音楽」となった今の時代に、さらに貪欲に「その先」を目指したからこそ生み出せた、極限進化的2ndアルバム。(高橋智樹)