メジャーデビューしてから、そして鴇崎がヴォーカルになってから初めてとなるフルアルバム。その名も『パワースポット』って……OLさんがターゲットか！と思わず突っ込んでしまいたくなるが、聴けば確かに、はちきれんばかりのパワーが詰まっている。これまでのシングルや、ミニアルバム『マストバイ』に収録されていた楽曲を鴇崎が歌い直したヴァージョンが入っている、ベスト盤的な内容。その一曲一曲が、80年代の洋楽や、昭和の歌謡曲のように、ギラギラしていた時代の音楽の血を受け継いでいるのだ。最近のシングルでもその傾向が出ていたけれど、アルバムとして1枚にまとまると本当に濃厚！　しかも箸休めは皆無！　時代錯誤と考える人もいるだろうか。しかし、逆に時代を反映しているからこそ、こうなるのだと思う。これくらい思いっきりいかないと、音楽シーンも、もっと言えば日本も元気にならねぇだろ、彼らの中にはそういう意図があるのではないだろうか。ライヴハウスからお茶の間まで、笑わせてくれて、泣かせてくれて、驚かせてくれる、ロックエンタテインメント・アルバム。（高橋美穂）