テイラー・スウィフトの来日公演のオープニングアクトに抜擢されて話題となった齊藤ジョニーのデビューアルバム。カントリー、ブルーグラスの匂いを豊かに香らせる音楽性は、渋いと同時にフレッシュだ。エレキギターの土くさいリフを主軸とし、カントリーロック的な風味を放つ“東京の女の子”以外、サウンドの主体はアコギ、マンドリン、バンジョー、フィドルといったアコースティック楽器。野趣に富んだ音色に彩られながら、好青年的な柔らかな歌声が響き渡る。瑞々しいメロディを哀愁たっぷりに奏でる“ハックルベリー・フィン”“グランファ”といった曲で魅了する一方、アメリカ南部の大衆酒場に紛れ込んだかのような“線路際のワイルド”、開放的なダンスパーティーをイメージさせる“Goin’ Home”のような賑やかなカントリーも飛び出す。「歌はやっぱり楽しいな」「踊るって気持ちいい」という、音楽の喜びの原点を素朴に体感させてくれる1枚だ。ボーナストラックの“ラジオスターの悲劇”はバグルスのカヴァー。エレポップな原曲を完全に齊藤ジョニー色に塗り替えている。これも必聴! (田中大)