今年春に7作目のアルバム『ファム・ファタール』をリリースし、6度目の全米1位を勝ち獲りトップに返り咲いたブリトニーが、現在も続いているワールド・ツアーのライヴDVDを早くも発売。さらに5作目から最新作までの曲を集めたリミックス盤も同日リリースで、12月2日に30歳を迎える今年、ブリトニーは本気の攻めに出ている。
　
その気合いを完璧にヴィジュアル化したのがこのツアーだ。オープニングから露出度MAXの衣装で、見事に絞った身体を堂々と見せつけながら、無数の携帯とカメラが待ち構える客席に向かっていく姿に、今世紀最大のポップ・アイコンとしてトップに君臨し続けようとする彼女の気迫を感じた。最新作の曲を中心に、これまでのヒット曲も現在のモードに合わせたアレンジで、映像を使ったストーリー仕立ての構成も手伝ってひとつのショウとしてうまくまとまっている。登場の瞬間からニッキー・ミナージュが登場する華やかなフィナーレまで、衣装もセットも次々と変わる中で輝き続け、全身から「It’s Britney, bitch!」の声が聞こえてきそうな彼女の存在感に目が釘付けになる。痛快。(網田有紀子)