アデルというカテゴリー

アデル『ライヴ・アット・ザ・ロイヤル・アルバート・ホール』
アデル ライヴ・アット・ザ・ロイヤル・アルバート・ホール
2011年全世界売上ぶっちぎりNo.1のアデルである。ファーストで出逢った時に、その画期的な才能に惚れて猛烈にプッシュしたが、こんなことになるとは予想してなかった。今回のブレイクについて、ウェルメイドな音楽がきちんと提示されれば、これだけの可能性を持っていると見る向きもある。それも分かる。けれど、そんな通りのいい議論を一蹴して、『21』がこれだけ劇的なセールスを記録しているのは、やはりアデルがアデルであったからだということが、このライヴ映像を観ると分かる。

いわゆる歌姫による上品なライヴなどというものではない。曲によっては1コーラスで切り上げる曲もあったり、MCでは豪快に笑いながら爆笑エピソードをまくしたて、畳み掛けるようにコンサートは進んでいく。歌はうまいが、アイデンティティが見えないシンガーは沢山いるが、アデルの場合はむしろ逆。まずアデルという人格があって、その後に歌がある。そして観客までが皆アデル化してるのが凄い。老若男女幅広い客層が集まっているのだが、最後には皆アデルのように見えてくる。彼女はその歌で、顔の見えなかった人々に光を当てたのだ。(古川琢也)
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