新しい音楽的要素を貪欲に取り入れてピカピカに磨いていくでもないし、飾りっけもない。人間臭さを前面に出したかげぼうしの音楽は、不器用と言えるかもしれないし、頑固さも感じられる。そのリズムは、聴く者を軽快に踊らせてはくれないが、地面に爪でも立てるみたいに両足で踏ん張っているのがわかるし、自分もそのひとりだということを伝えてくれる音楽/歌である。泥臭いといわれるかもしれない。でも自分自身を見つめさせてくれる、個へのアンセムに向かい合っているところがいい。(吉羽さおり)
心根のうた
かげぼうし『「掌」』
2008年10月08日発売
2008年10月08日発売
新しい音楽的要素を貪欲に取り入れてピカピカに磨いていくでもないし、飾りっけもない。人間臭さを前面に出したかげぼうしの音楽は、不器用と言えるかもしれないし、頑固さも感じられる。そのリズムは、聴く者を軽快に踊らせてはくれないが、地面に爪でも立てるみたいに両足で踏ん張っているのがわかるし、自分もそのひとりだということを伝えてくれる音楽/歌である。泥臭いといわれるかもしれない。でも自分自身を見つめさせてくれる、個へのアンセムに向かい合っているところがいい。(吉羽さおり)