新しい才能には二通りある。生まれながらにしてピカピカに光っている天才と、玉石混淆の中から掘り出したばかりの原石だ。そして、磨けば光るかもしれないが光らないかもしれない原石を「光る!」と信じる瞬間にこそカタルシスがある。このつづくバンドの中心にいる都筑祥吾というシンガーは、まさにその原石である。地元長野の高校を中退後、東京に出てきてひたすら曲を書き続けてきた都筑。その曲たちは、昨年末「つづくバンド」がスタートすることで日の目を見ることとなった。メロディも、アレンジも、歌詞の世界観も、ルックスも、決して新しいものではない。だが、CDから聴こえてくる彼の声はどうしようもなくヒリヒリしている。一度だけ観たライヴでもそうだった。かなり荒削りで、圧倒的な何かがあるわけではなかったが、彼の佇まいに目を奪われる瞬間が確かにあった。《真実の成すものを今 その目に見せるよ》(“メロス”)。古臭いロックの模倣者ではない、「今ここ」の表現者としての片鱗はこのデビューミニアルバムにも埋もれている。この原石がどんなふうに磨かれていくのか。見届けたい。(小川智宏)