サウンドガーデンが実に16年ぶりのアルバムで復活！　10年に再結成を発表して、コンピ盤やライヴ盤を出したり、映画『アベンジャーズ』に新曲を提供したりした後で遂にリリースとなる新作は、いい意味で懐かしさを感じさせない。地を這うように渦巻くヘヴィネスと、異次元へ誘い出すサイケデリックな浮遊感を併せ持ち、クリス・コーネルの問答無用のヴォーカルがときにはっとするほど美しいメロディを歌い上げるマジックはそのままに、追憶や回顧とは無縁の新鮮なエネルギーがサウンドから迸っているのだ。97年の活動休止からこれまでの間に、クリスはオーディオスレイヴでの活動に加え3枚のソロ作をリリースし、マットはパール・ジャムのドラマーとしても活躍するなど、メンバーがそれぞれ蓄えてきた経験のすべてが「新生サウンドガーデン」のパワーアップにつながっているのがわかる。特にクリスはこの十数年間ちょっと迷走気味!?と思ってしまうこともあったので、やっぱりヴォーカリストとして一番輝けるサウンドガーデンという場がこうして再び本格的に動き出したのは嬉しい限り。後は来日ツアーを期待するのみ！（網田有紀子）