豪ダンス・シーンの新風

フルーム『フルーム』
フルーム フルーム
弱冠21歳の気鋭プロデューサー。UKではフォールズやネオン・インディアンを擁するトランスグレッシヴからリリースされるデビュー・アルバムになる。シドニー発のダンス・ミュージックというと、近年でいえばモジュラー周辺のアッパーなイメージが強いが、そういう点では異色かもしれない。ポスト・ダブステップ〜ベース・ミュージックを咀嚼した、低音の効いたビート・メイクやリズムのタメ、空間を活かした音響処理、ヴォーカル・チョップも織り交ぜつつ、R&Bからチルウェイヴ〜クラウド・ラップまで自在に横断するセンスは、個人的にクラムス・カッシーノを連想させる場面も。ドリーミーでダーク。また、同じくオーストラリアを代表する気鋭(メルボルンのザ・ウィークンド?)、チェット・フェイカーを始めとするゲストの顔ぶれも心憎い。興味深いのは、本国ではあのワン・ダイレクションを押さえてチャート1位を獲得したという事実。人気アイドルと争うようなメジャー向けのサウンドではないものの、つまり、それだけ彼の国ではダンス・ミュージックを聴く耳が洗練されている、という証拠なのかもしれない。注目したい。(天井潤之介)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on